骨粗しょう症 トピックス 【 Vol.17】

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「ロコモティブシンドローム」に気をつけよう(2)

〜ロコモのチェックポイントは?

2018年4月18日

7つのロコチェックにいくつ当てはまる?

ロコモティブシンドローム(ロコモ)は、自分では気づかないうちに進行します。そして、ある日突然転倒したり骨折したりして、自立した生活が難しくなってしまうことが少なくありません。自分は大丈夫と思っても、ロコモ予備軍になっている人は大勢いるとされています。 ロコモ予防のためには、まず自分の骨や筋肉、関節など運動器の状態を知って、リスクがどれぐらいあるかに気づくことが大切です。

日本整形外科学会では、ふだんの生活の場面からロコモの可能性を自分でチェックできる「ロコチェック」を定めています。また、当サイト「いいほね.jp」でもチェックシートをご紹介しています。(→ロコモになっていないかチェックしてみましょう)

7つの項目に1つでも当てはまるとロコモの心配があり、2つ、3つと数が多くなるほど、将来介護が必要になる可能性は高くなります。このロコチェックを使って、自分の身体にロコモの兆候がないかどうか調べてみましょう。



ロコモになりやすい人は?

ロコモは誰にでもそのリスクがありますが、特になりやすいのは、「やせ過ぎ」、「太り過ぎ」、そして「あまり体を動かさない」のいずれかにあてはまる人です。

まず、注意したいのはやせている人です。やせている人に生じやすい病気が、ロコモの主な要因のひとつである「骨粗しょう症」です。

骨粗しょう症は女性に多く、閉経後に女性ホルモンの分泌が急激に低下することで生じやすくなりますが、やせていて体重が少ない人は、骨にかかる負荷が少ないため、骨が弱くなりやすいのです。骨粗しょう症によって骨がもろくなると、骨折の危険性が高くなり、運動や生活に支障をきたして要介護状態になる危険性もあります。

また、太っている人はやせている人に比べて骨粗しょう症は起こりにくいのですが、「変形性関節症」に注意が必要です。変形性関節症とは、関節軟骨がすり減って膝や腰などに痛みが生じる病気です。

肥満になると、膝や腰の関節に負担がかかって軟骨がすり減り、それによって痛みが生じます。そして、痛みを避けるために体を動かさなくなってさらに体重が増え、ますます痛みが強くなる・・・という悪循環に陥りやすく、ロコモのリスクがどんどん増大していくのです。

「自分はやせすぎも、太りすぎもしていないから大丈夫」とは言い切れません。
いくら体重が適正でも、運動不足で筋肉や関節にあまり負荷をかけていない人では、筋力やバランス力が低下しがちです。また、骨にも適度な負荷がからないために、骨がもろくなってしまいます。

筋力や筋肉の量は30歳を過ぎた頃から徐々に低下し始め、50代に入るとより低下しやすくなります。運動習慣や活動的な生活によって関節や筋肉に適度な負荷がかかっている人の筋力の衰えはゆっくりと進みますが、体を動かさない人は負荷がかからず、筋力の衰えるスピードが速くなります。それによって体のバランスをとる能力が低下し、転倒や骨折につながってしまうのです。

ロコモ予防のためには、適正体重を維持すると同時に、適度な運動を取り入れて、活動的な毎日を過ごすことがとても大切です。