A:骨粗しょう症の原因として、まず加齢があげられます。高齢になりますと腸管で栄養素を吸収する力が低下し、また一般的に若い頃よりも食事の量が減りますので、骨の形成に必要な栄養素であるカルシウムやビタミンD、タンパク質などが不足しがちとなります。食事のほかに運動量が減るのも骨粗しょう症の原因の1つとなります。したがって、若くてもカルシウムなどの摂取量が少なく運動不足の人は、年を取ってから骨粗しょう症になるリスクが高いといえます。
もう一つの大きな原因として、閉経後、女性ホルモンの分泌が減ることがあげられます。女性ホルモンは骨密度の低下を抑える働きがあり、その分泌が減ることで骨密度が急激に減ってしまいます。
このほか、過度の飲酒や喫煙、コーヒーの多飲、日光照射不足などの生活習慣が、骨粗しょう症の発病に深く関わっています。
糖尿病、関節リウマチ、甲状腺機能亢進症などの病気、胃切除後、ステロイド薬(副腎皮質ホルモン)の長期服用なども危険因子となります。
詳しくは 原因のページで解説しています。気になる原因があり、症状のある人はまず 症状チェックで骨の健康度をチェックしてみましょう。
A:家族に骨粗しょう症の患者さんがいる場合は注意が必要です。このように骨粗しょう症の発症には遺伝的要素が認められますが、それよりも家族の間では食事の好みや運動量など、生活習慣が似ていることも大きく関わっているようです。骨粗しょう症は骨の生活習慣病とも呼ばれ、体質に加えて暮らしぶりが大きく影響するのです。
また、やせ型の人や閉経の時期が早かった人なども骨粗しょう症になりやすいことがわかっています。
A:妊娠中は、女性ホルモンのエストロゲンや活性化ビタミンDなどが上昇するため、腸からのカルシウム吸収が増えます。しかし、摂取したカルシウムは胎児に蓄積されるため、母体の骨量は減少します。授乳中も同様に母体の骨量は減少します。ただし、授乳を終えてから約半年で、減少した骨量は妊娠前の状態まで回復するといわれています。以前の栄養指導では、妊娠、授乳期にカルシウムを多めに摂るよう指導されていました。  しかし、多く摂っても尿中への排出量が増加するなどして母体の骨量の低下に影響がみられないこと、授乳を終えた後に骨量が回復することなどから、「日本人の食事摂取基準(2005年版)」(厚生労働省)では、妊娠・授乳期の人に対してカルシウムの摂取の付加をなくしました。つまり、妊娠中でも、通常と同じ1日700mgを目安量としています。 妊娠中・授乳中は、1日700mgを満たすカルシウムを摂り、日光に当たりながら散歩するなど適度な運動を心がけましょう。
A:閉経後または高齢になって背が低くなった、腰や背中が曲がって痛みが生じたという場合は、骨粗しょう症と診断され、治療が必要になる可能性がありますので、まずは骨密度や骨のレントゲンの検査を受けましょう。骨密度が低下したことにより、背骨に小さな骨折が起こっているのかもしれません。骨粗しょう症と診断されれば治療が始まります。
できればこうした症状が出る前に定期的に骨密度を測り、骨の健康状態を知っておくとよいでしょう。たとえ小さな骨折でも防止することが大切。骨密度が若年成人の平均値 ※の70%未満になると骨粗しょう症と診断され治療の対象となります。
医療機関検索で、骨粗しょう症の検査や治療を受けられる病院やクリニックを探せます。
※若年成人平均値(YAM)。20〜44歳の成人の骨密度の平均値。
A:女性は40歳を過ぎたら定期的に検診を受けるようにしましょう。わが国では、40歳以降の女性を対象に5年刻みに骨密度の節目検診が行う自治体が多くなっています。閉経後の女性は、1年に1度検診を受けるとよいとされています。
検診で骨密度が減っていると判定された人は、指示された時期にきちんと医療機関で診断を受け、治療の時期を逃さないようにしましょう。
医療機関検索で、骨粗しょう症の診断や治療を受けられる病院やクリニックを探せます。
A:まずは骨密度が測定されます。測定法としては、X線を使ったDXA(デキサ)法、MD(エムディ)法、超音波を使った超音波法があります。どれも苦痛がなく短時間で行われる検査法です。
このほかに、レントゲン撮影で骨折の有無を調べたり、血液検査または尿検査を行ったりします。 検査と診断のページに詳しい説明がありますので参考にしてください。
骨粗しょう症の診断には生活習慣も重要な手がかりとなります。過去の健康状態(既往歴)、普段の食生活、運動習慣などが聞かれますので、検査前に整理しておくとよいでしょう。
A:骨粗しょう症の治療は、薬物療法が中心になります。また、食事や運動など生活面での注意も必要です。薬物療法の中心は、骨吸収を抑え骨形成を促して骨密度を増加させるビスフォスフォネートという薬です。  そのほかに、ひとりひとりの病状に合わせてカルシウム製剤、女性ホルモン製剤(エストロゲン)、カルシウムの吸収を促し骨を強くする活性型ビタミンD3製剤、骨折予防効果のあるビタミンK製剤、骨粗しょう症に伴う痛みを除き骨を強くする効果もあるカルシトニン製剤などが用いられます。
骨の生活習慣病ともいわれる骨粗しょう症では、食事療法や運動療法も併せて行います。骨粗しょう症一歩手前の「骨量減少」と診断された場合は、食事療法と運動療法が中心となります。
薬物療法、食事療法、運動療法について、詳しくは 治療と目的のページをご覧ください。
A:骨密度は適切な治療によって少しずつ回復しますが、健康な骨になるまでは長期間を要します。途中で治療を中断してしまっては、骨折予防という治療の目的を達成することができません。
だからといって、「一生治らない病気」と重く受け止めるのではなく、大きな骨折をする前に見つかってよかったと考えて治療を継続してください。それは、骨密度が少し増加するだけで骨折する割合が著しく減少する事も分かっているからです。食事や運動などで骨にとってよい生活習慣を取り入れれば、他の生活習慣病も予防でき元気に生活していくことができます。
A:骨は長年の生活習慣の影響を受けて変化するものです。たとえば高齢者の骨のカルシウム量は、若い頃によく牛乳を飲んでいた人、運動をしていた人ほど多い傾向があります。  また成人後に、偏食や運動不足、過度のダイエットなどによって骨のカルシウム量が減ってしまうことがあります。骨の健康は、若い頃から現在までの生活の積み重ねで決まりますので、あらゆる年代で、骨を丈夫にする生活を心がけることが必要なのです。この点で骨粗しょう症はお年寄りだけの病気とはいえません。
A:カルシウムは食事で摂るのが理想的ですが、サプリメントで摂取しても有効です。成分表示をよく見て、カルシウム含有量の多さやカルシウムの吸収を促すビタミンDやマグネシウムも含まれているかどうかチェックしましょう。薬剤師さんのいる薬局で、飲む量や他の薬との飲み合わせなどをも含め相談するとよいでしょう。
ただし、いま骨粗しょう症の治療中ならば、すでにカルシウム薬や活性化ビタミンD3製剤を処方されている可能性が高いので、必ず主治医に相談をしてください。これらの薬で治療中に過剰にカルシウムを摂りますと、余分なカルシウムが血液中にたまり、吐き気や便秘、脱力感などがあらわれることもあります(高カルシウム血症)。 |