【 生活習慣病関連骨粗しょう症 】
生活習慣病はご存知のとおり、食習慣や運動不足などのライフスタイルをおもな原因として起こる病気です。高血圧や脂質異常症、糖尿病などがその代表格として知られており、最近ではCOPD(慢性閉塞性肺疾患)や、成人の8人に1人が発症していると言われるCKD(慢性腎臓病)なども注目されているところです。中高年になると、「生活習慣病と骨粗しょう症の両方を治療中」という人もおられるでしょう。この2つの病気に関連があると考える人は少ないかもしれませんが、最近では、生活習慣病が骨代謝に影響を及ぼすことが明らかとなって来ています。なかでも糖尿病とCKDは、骨粗しょう症と密接な関連があるとして注目されています。
こうした生活習慣病関連骨粗しょう症では、骨密度が正常に保たれているケースもあり、それでも骨折を生じやすいのは骨質劣化の関与が大きいと考えられています。
●糖尿病
糖尿病においては、骨密度は低下していないにもかかわらず、大腿骨近位部(太もものつけ根)骨折のリスクが1.4〜2倍に高まるという報告があります。糖尿病は、慢性的な高血糖状態が続く病気です。この状態が体内の酸化ストレスを増加させ、骨の中に存在する骨コラーゲンの架橋のうち、脆弱な悪玉架橋を増加させることで、骨質を劣化させ、骨折のリスクが高まると考えられています。
(第66回コラムへ)
●CKD(慢性腎臓病)
CKDは、腎臓の異常や機能低下が続く病気で、糖尿病と同じく心筋梗塞や脳卒中などの重大な危険因子です。腎臓には、老廃物を体外に排泄するだけでなく、体内のミネラルを調節して骨を丈夫に保つはたらきがあります。CKDになるとビタミンDの活性化が弱まって血液中のカルシウム量が減り、それを補おうと骨からカルシウムが溶け出して骨がもろくなります。さらに糖尿病と同じく、酸化ストレス増加などにより骨質も劣化すると考えられています。
(第66回コラムへ)
●動脈硬化
動脈硬化は、加齢とともに動脈の血管壁が固くなり、高血圧や脂質異常症、糖尿病などの病気が重なって血管が詰まりやすくなる状態を指します。この動脈硬化と骨粗しょう症には、発症や進行において共通するところがあります。たとえば、血中にあるホモシステインという物質が上昇し、体内の酸化ストレスが増加すると、動脈硬化が進むと同時に骨質も劣化し、骨がもろくなるといわれています。
(第59回コラムへ)
●COPD(慢性閉塞性肺疾患)
CODPは慢性気管支炎、肺気腫など、長期にわたり気道が閉塞状態になる病気の総称です。
発症のおもな原因とされる喫煙は、胃腸の働きを悪くしてカルシウムの吸収を悪くし、骨粗しょう症を招きやすいとされています。さらには、呼吸困難によって体を動かす機会が減ることや、治療のためにステロイド薬を服用することも、骨に影響を及ぼすと考えられています。
(第67回コラムへ)