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骨粗しょう症コラム

2013年2月20日

第70回 カルシウムの吸収率ナンバー1!

〜驚くべき乳製品の骨パワー

骨を強くするためには、毎日の食事でカルシウムを多く摂ることが欠かせません。カルシウムを含む食品はたくさんありますが、吸収しやすい形で効率よく摂ることができるのが、牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品。毎日の食生活に乳製品を取り入れて、元気な生活を送りましょう。


毎日コップ1杯の牛乳を飲もう!

骨粗しょう症の根本的な原因は、骨の材料となるカルシウムの不足です。カルシウムは体内で作ることができないので、食事など体外から摂らなければいけません。しかし、欧米に比べて乳製品をあまり摂らない日本人の食習慣はカルシウム不足を招きやすく、1日に必要なカルシウムの摂取量600mg(成人の場合)を、ほとんどの人が満たしていません。特に閉経後の女性など、骨粗しょう症になりやすい人は、意識して200mg多めの1日800mgのカルシウムを摂ることが勧められます。
カルシウムを多く含む食品には、乳製品や豆腐などの大豆製品、骨ごと食べられる魚、小松菜などの緑黄色野菜など様々です(200mgの目安は表参照)。ところが、カルシウムは吸収されにくい成分で、どのような食品でも同じように体内に吸収されるわけではなく、食品によって吸収率が異なります。吸収率のもっとも高い乳製品では約50%、小魚などの海産物では約30%、緑黄色野菜にいたっては18%程度です。
そこで、効率のいいカルシウム摂取のためには、毎日の食事に乳製品を積極的に取り入れることが勧められます。乳製品は吸収率が特に優れている上に、カルシウムの吸収を助けるビタミンDやたんぱく質といった栄養素を含んでいます。実際、若い頃から牛乳をよく飲んでいる人は、骨にカルシウムの貯金ができるので、年齢を経ても骨が強いことがわかっています。大腿骨頸部骨折を起こした人を調べたところ、若いときに牛乳をまったく飲まなかった人は50%もいる一方で、よく飲んでいた人は20%しかいませんでした(日本整形外科学会調べ)。
さらに牛乳には、骨を丈夫にするカルシウム以外にも、良質のたんぱく質、各種ビタミン、脂質、ミネラルなど、赤ちゃんを育てるために必要な栄養素がすべて含まれています。完全栄養食品の牛乳は、免疫力を高めたり、様々な体の機能を調節したり、安眠や精神安定に働いたりと、毎日を元気よく過ごすのに大切な役割を果たしてくれるのです。
牛乳を飲むとおなかを壊すという人も、温めて少しずつ飲みながら量を増やしていくと、次第に慣れて飲めるようになります。また、低脂肪乳や無脂肪乳でもカルシウムの量はほとんど変わりませんのでコレステロールが気になる人は、利用してみるのもいいでしょう。コップ1杯で、骨を強くするのに必要なカルシウムの目標量800mgを達成しやすくなるので、毎日牛乳を飲むことを習慣にしましょう。


少量でも多くのカルシウムと栄養が摂れるチーズ

チーズは牛や羊などの乳を脱水して固めたものですが、100gのプロセスチーズを作るには、その10倍もの原料乳が必要とされ、栄養がギュッと凝縮されています。しかも、長期間発酵・熟成させることで、たんぱく質がアミノ酸に分解され、ミネラルはイオン化されて、栄養分が体内に吸収されやすい状態になります。カルシウムの吸収率も高いので、少量食べるだけでカルシウムをはじめ栄養素を効率よく摂取できるのが大きな魅力です。
チーズは高カロリーで肥満につながる、と思う人もいるかもしれませんが、チーズにはビタミンB2が多く含まれているので、脂肪の燃焼をスムーズにしてくれます。また、ビタミンAが豊富な為、免疫力を高めて病気を予防したり、粘膜や肌に潤いを与えて若返りの効果が期待できます。さらには、メチオニンというアミノ酸が、肝臓の働きを助けてアルコールの分解を促します。その作用は、二日酔いの薬に使われるほどで、飲む前に少し食べておくと二日酔いの予防にも役立ちます。
チーズは牛乳と同じで完全栄養食品です。消化も良いので、食欲がないときや食が細くなってきた高齢者にも勧められます。

 


 

整腸作用と免疫力アップで健康長寿につながるヨーグルト

食後のデザートや、おやつとしてお勧めなのがヨーグルトです。牛乳などの原料乳に乳酸菌を加えて発酵させたヨーグルトには、カルシウムやたんぱく質などの成分が豊富に含まれており、骨を丈夫にする作用は牛乳と変わりません。
それだけでなくヨーグルトを食べると、生きた乳酸菌が腸まで届いて腸の中で増殖します。腸内で善玉菌の乳酸菌が増えることで悪玉菌が減り、腸の環境を整えて便秘を改善するのです。その他にも、免疫力を高めて花粉症などのアレルギー症状を緩和させたり、病原菌やウイルスなどの有害なものの侵入を防ぐ作用があります。また、新陳代謝を改善して、がんや生活習慣病などの様々な病気の予防にも役立ちます。100年近くも前に「ヨーグルトをよく食べるブルガリアの人には長寿が多い」と、生物学者が発表しているほど、ヨーグルトの健康特性は世界でも認められているのです。
牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする乳糖不耐症の人にも、ヨーグルトは強い味方になります。乳糖不耐症は、お腹の中で乳糖を分解するラクターゼという酵素の働きが弱いと起こりますが、ヨーグルトは乳糖が分解されているので、食べても乳糖不耐症は起こりません。むしろ下痢を改善するので、牛乳が苦手な人でもお腹の心配をすることなく食べることができます。

 

和食献立を洋風にアレンジしたり隠し味に使って無理なく摂ろう

乳製品は重要なカルシウム源とわかっていても、毎日では飽きてしまいなかなか続かないという人や、そもそも味が苦手という人もいるかもしれません。そのような場合、毎日の調理の際に乳製品を取り入れてみるのはいかがでしょうか。
例えば、みそと相性がいい牛乳は、みそ汁やみそをベースとした鍋に隠し味として入れると風味がよくなります。また、牛乳を温めてコンソメを入れたスープで作る牛乳がゆもお勧めです。牛乳は加熱しても栄養は変わらないので、様々な料理に応用してみましょう。

ヨーグルトはカレー粉と混ぜて、これに鶏肉を漬けて焼けば、タンドリーチキンの出来上がりです。他にも市販のドレッシングに混ぜたり、肉や魚のソテーのソースにヨーグルトを加えると、味がまろやかになります。

チーズは料理に少し加えると、いつもの味がアレンジできます。例えば、余ったお芋の煮っころがしに、角切りにしたチーズを加えると、子どもも喜ぶメニューになります。フライや天ぷらの衣に粉チーズを混ぜるのもお勧めです。
このように乳製品を上手に使うと、和風の料理を洋風にアレンジできたり、いつもの味に変化ができて料理の幅が広がります。ほんのひと手間が骨を強くする大きな助けとなるので、献立や調理法などを工夫して、少しずつ乳製品を食卓に取り入れるようにしましょう。