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骨粗しょう症コラム
2007.11.1 

第1回 骨粗しょう症の最新治療〜骨粗しょう症の薬はこんなに進化している
治療を躍進させたビスフォスフォネート製剤
30年ほど前まで、骨粗しょう症の治療薬といえばカルシウムか、女性ホルモン(閉経後の女性の場合)が中心でした。その後、骨密度を増やす薬が続々と登場し、ついに21世紀になって新薬「第3世代 ビスフォスフォネート」が日本で臨床応用できるようになって、骨粗しょう症の治療は飛躍的に進歩したのです。
ビスフォスフォネートは、骨の破壊を抑え形成を促す薬です。6カ月間の服用で骨密度を3%、18カ月の服用で4%増加もさせ、骨折をする割合を約1/2に予防しえたという治療研究の報告もあり、いまや世界中で使われているのがビスフォスフォネートです。
骨粗しょう症が怖いのは、骨がもろくなって骨折しやすくなるから。とくに背骨や足の付け根の骨などを骨折すると、寝たきりの原因ともなります。ビスフォスフォネートは背骨の骨折のリスクを48%、足の付け根の骨の骨折を55%、それぞれ低下させる効果が確認されています。
また、閉経後骨粗しょう症、男性の骨粗しょう症、続発性骨粗しょう症(※1)などに広く効くという点でもすぐれた薬です。

ビスフォスフォネート製剤 薬を飲むおばあちゃん

いくつかの薬を組み合わせて治療
骨粗しょう症の治療では、ビスフォスフォネートだけでなく次のような薬を組み合わせて用いられることもあります。薬の組み合わせで、どの程度効果があるかについては科学的に調べられています。

 ・ カルシウム
 ・ カルシウムの吸収を促進させる活性型ビタミンD3
 ・ 骨の形成を促して骨折を予防するビタミンK2
 ・ 女性ホルモンを補充して骨の破壊を抑制するエストロゲン
 ・ エストロゲンと似た作用のあるSERM(塩酸ラロキシフェン)
 ・ 骨の破壊を抑制して痛みを抑えるカルシトニン

これらの他に、女性ホルモンに似た作用をもつイプリフラボン、骨の形成促進・小腸からのカルシウム吸収・筋肉を増加させて筋力を高めるなどの作用が期待されるタンパク同化ホルモンも、骨粗しょう症の治療薬として認められています。これらの薬については治療と目的のページで詳しく説明しています。

治療は病気の進行度に合わせて
骨粗しょう症は歳と共に少しずつ進んでいきますが、初期には無症状です。背中が曲がって身長が縮み、背中の痛みや腰痛があらわれたときには、すでに背骨に小さな骨折が起こっている時期です。その場合には転んだだけで足の付け根の骨が折れてしまう危険も。
どれくらい骨がもろくなっているか、つまり骨粗しょう症の進行度を知る方法が骨密度の測定です。
骨密度の正常値は、成人の骨密度平均値がもとになっています。平均値の80%以上骨密度が保たれていれば正常。70〜80%では骨粗しょう症一歩手前の「骨量減少」という状態。70%未満が骨粗しょう症です。
骨密度が70〜80%を保っていても、50歳以上で骨がもろくなったことが原因の骨折があれば骨粗しょう症と診断されます。
ビスフォスフォネートによる治療は、病気の進行度に合わせて行われます。骨密度が減り始めていても正常値の範囲内なら、食事療法運動療法を生活に取り入れ、骨の健康を守ることが第一。骨量減少の場合は必要に応じてカルシウムや活性化ビタミンD3、女性ホルモンなどが処方されます。
骨量減少の段階では、その人の生活習慣や家族歴が治療内容に影響します。次の3つの条件のうち、1つでも当てはまれば薬による治療を開始した方が良いと推奨されています。

 1. アルコールを1日2単位以上(2)飲む
 2. タバコを吸う
 3. 家族に足の付け根の骨を折った人がいる
骨粗しょう症と診断された人は、ビスフォスフォネートなどによる治療が必要です。骨密度低下の主な原因が、カルシウム不足であればカルシウムや活性型ビタミンD3、閉経後であれば女性ホルモンやSERM(塩酸ラロキシフェン)などが一緒に処方されることもあります。すでに背骨などに小さな骨折が生じ、そのために背中の痛みや腰痛がある場合は、鎮痛効果もあるカルシトニンが用いられます。
治療は病気の進行度に合わせて

適切な時期に治療を開始するメリット
骨粗しょう症治療の最大の目的は骨折予防。適切な時期に適切な治療を行うことでそれが達成されるのです。
タイミングよく治療を始めるために必要なのが、骨密度の定期な測定。40歳以上の女性は、健康診断や人間ドックとともに数年に一度は骨密度測定を行うのが望ましいといわれています。日本では、40歳以上の女性を対象に5年刻みの節目検診が行われている地域もありますので、ぜひ骨検診制度を活用してください。すでに気になる症状がある人は早めに骨密度のチェックを。
医療機関検索で、検査や治療が受けられる病院やクリニックが探せます。
治療開始のタイミングと同じくらい大事なのが、きちんと治療を続けること。とくに薬を飲んでいるときは、骨密度などの検査を定期的に行いながら効果を見極めていかなければなりません。医師と協力し合って骨の健康を守っていきましょう。

骨粗しょう症による痛みにも対策はある
 治療を行っていても、背中や腰に痛みの出ることがあるかもしれません。その場合は、適切なリハビリ、温熱療法などが有効です。
また最近では、骨セメントという物質を背骨の骨折部位に注入して治療して痛みを軽減させる手術や、ブロック注射が効果を上げています。
病気そのものだけでなく、骨折やその痛みに対する治療もすすんでいるのです。骨粗しょう症に罹っていても、いままで通りの生活を送ることはもちろん、痛みを取り去ってより快適な生活を手に入れることが可能となってきているのです。

新薬開発のスピードは速い
骨粗しょう症治療薬の開発は日進月歩の勢いです。たとえば、骨の破壊を抑える作用が非常に強く、1ヵ月に1回内服または注射すればよいというビスフォスフォネートの新薬が、すでに米国で販売されています。
SERMでも、より効果の高い薬の臨床試験が行われています。そのほか、骨の形成を促す副甲状腺ホルモンや、骨の新陳代謝活性型ビタミンD3の作用をより強力にした薬などが開発中です。 国内では2006年から2007年に週に1回だけ飲めばよいタイプのビスフォスフォネートが認可され、患者を毎朝服薬の煩わしさから解放しました。 海外ではこの薬の登場で、治療を途中でやめてしまう例が減り、骨折患者さんが減っていることも確認されています。高齢化がすすみ、骨粗しょう症の患者さんやその予備軍の人達は増加していますが、一方で研究が進み、新しい薬や治療法が次々と考え出されているのです。
骨粗しょう症は、効果的な治療と生活習慣の改善で進行を抑えられる病気。骨折を予防して元気な生活を送りたいものです。


1: 甲状腺機能亢進症、関節リウマチ、糖尿病などの病気や、ステロイドの長期内服などのために起こる骨粗しょう症。
2: 2単位のアルコール 
ビール・発泡酒=350ml缶3本、日本酒=2合、ワイン=4杯(480ml)、焼酎(35度・ロック)=3杯(150ml)、梅酒(ロック)=8杯(400ml)、ウイスキー・ブランデー(ダブル)=2杯(120 ml)

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